コロナ渦により、ソーシャルディスタンス、ロックダウンなど新たな言葉が使われ、定着化しています。
アフターコロナな時代の生活様式に馴染んでいくだろう言葉として「active transport」というものが、世界で注目されてきています。
active transport とは
今回ご紹介する「active transport」とは、新型コロナウィルスや、これからも起こるだろう疫病と共存していくための生活様式の中で、今後推奨される「移動手段」のことです。
active transport = 自転車や徒歩など、人力による移動
新型コロナなど疫病が流行中の移動手段として、人との距離を保ちながら、運動不足を解消することができる、自転車や徒歩などの人力移動手段が注目されています。
active transport 推奨の理由
active transport が推奨される理由は、旧来の勤務地への移動手段が、疫病の感染要因であったとデータが整理されてきているからです。
2020年5月現在、最も新型コロナ感染者数が多い、アメリカのニューヨーク州の感染経路の調査・分析結果があります。(MIT研究結果)
感染経路の要因の一つとして挙がったのが、混雑した地下鉄の利用であったという事です。
日本に置き換えてみると、各都市の地下鉄に限らず、鉄道網の混雑度は説明するまでもないでしょう。
active transport に向けた世界の動向
コロナ渦の中、世界の都市でロックダウンが起こり、その出口戦略が模索されています。
日本においては、出口戦略の指標として数字が独り歩きしていますが、社会環境として、第二派、第三派の山を抑え込む具体的移動手段の提言などは聞いたことがありません。
世界の動向はどうでしょうか?
国・都市 | 対応策 |
---|---|
イタリア | 新たに自動車レーンを整備したり歩道を広げる計画 |
パリ@フランス | 350億円の予算をもって自動車レーン網の敷設を計画 |
メキシコシティ@メキシコ | 道路を一時的に自転車レーンとして利用する計画中 |
ロンドン@イギリス マンチェスター@イギリス | 歩道幅を広げたり、一部道路の自動車侵入禁止によるactive transport専用レーンの計画 |
イギリス | 運輸相のグラント・シャップス氏が、勤務先に向かう人たちがactive transport で出勤するよう促すための施策を、政府にて検討中である旨示唆 |
上記の通り、世界では具体的な計画、予算化も進んでいます。
active transport の副次効果
active transport が広がることによる副次効果として
- 交通量が減り、空気汚染が改善
- 二酸化炭素排出量が抑えられ、地球温暖化対策になる
以上が期待されています。
ヨーロッパなどでは排気権など、NOxの排出規制には積極的で(ある意味後進的であったからではあるのですが)、コロナ渦を機会に更に対策を早めていくことが予想されます。
当然、排気権は、環境戦争ともいえる欧州の武器でもあるため、日本に対しても同様な措置を求めてくることに将来的になると予測されます。
日本におけるactive transport推進のために
日本では、そもそも自転車レーンの整備が十分でなく、車道の端を申し訳なさ程度に利用する形式が多いです。
また東京や大阪など都市圏に勤務先が集中し、郊外のベットタウンから、長い通勤時間を経て会社に通うといった生活様式が珍しくありません。
このように、コロナ発生前の環境でハンデはあるかもしれませんが、active transportでの勤務が可能になるように、みなすべき時が来たのかもしれません。
具体的には、オフィス賃料と、就業者の住居賃料も安価な、郊外の労働拠点に分散化し、拠点間をオンライン会議でつなぐなどの施策を進めるなどが考えられます。
オフィスと住居の距離が近くなれば、勤務先への通勤時間が短くなり、就業者の生活にとっても自由な時間が増え、生活レベルが上がることが期待されます。
まだ聞きなれない「active transport」なる言葉。
どうせアフターコロナの時代、生活様式が変革するのであれば、働きやすく生活しやすい環境を目指していきたいものです。
日本の首相や都道府県の首長から発せられるが期待されます。